たんぱく質の代謝
たんぱく質はまず胃液の消化酵素であるペプシンによってペプチド結合が切断され、鎖状のポリペプチドとなります。
ポリペプチドは十二指腸に送られると、膵液中に含まれるトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼなどタンパク分解酵素の働きによって、分解が進んでいき各種アミノ酸やペプチド類になります。そして小腸で吸収される段階で最終的にアミノ酸となります。
たんぱく質の分解と合成
吸収されたアミノ酸は肝臓へと運搬され、血液によって全身へと送られます。こうして新しいたんぱく質が体を作り出すと同時に、古くなったたんぱく質はその組織から分解されて血液に出されます。分解された物の75~80%は肝臓でまたアミノ酸へと作り変えられ、再度血液中に出て行きます。
また、各組織でアミノ酸から酵素やホルモン、神経伝達物質などに作り変えられます。
不要物
古くて不要になったアミノ酸に含まれる窒素化合物の有毒なアンモニアは肝臓で遊離されますが、すぐに無毒な尿素へと変換されます。そして尿となって体の外へと排出されます。
窒素がなくなった後のアミノ酸はエネルギー源になったり、ブドウ糖や脂質へと変換されます。血糖が不足した場合にもブドウ糖の補給としてこの働きが現れます。
ビタミンの代謝
ビタミンの働きは細かい物で分かれて来ますが、大まかに水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2つの働きに分類されます。
水溶性ビタミンの場合
ビタミンB群やビタミンCは消化液や血液に溶ける水溶性のビタミンです。これらは小腸から吸収され、肝臓へと運ばれた後に各組織で利用されます。
ビタミンB群は主に酵素の手助けをします。酵素の中には自身だけでは発動できず、ビタミンB群の力を借りて活動できるものもあります。
ビタミンCは酸化型と還元型の2種類が体内に存在しています。特に酸化型になり易い傾向があります。そんなビタミンCは酸化型の鉄などのミネラルや栄養素を還元して、消化しやすい物質へと変換する働きを持っています。
脂溶性ビタミンの場合
脂溶性ビタミンは脂質の代謝と一緒に「カイロミクロン」へと変わり、肝臓へと運ばれていきます。
ビタミンAは肝臓で脂肪酸と結合して貯蔵されます。必要に応じてたんぱく質と結合して体内へと運ばれ、細胞に取り込まれることで成長促進や粘膜維持に働きかけます。
ビタミンDは肝臓内で、コレステロールからも合成されます。そしてカルシウムの吸収を促す作用を持っています。
ビタミンEはリポタンパク質によって各組織の細胞へと運ばれ、細胞膜の酸化を防いでくれます。
ビタミンKは腸内細菌から作り出され(ビタミンK2)、ケガをした時などの血液凝固に役立ちます。
Lesson11確認問題
Lesson11の練習問題に取り組んでみましょう!
知識を確認することで、より定着度が高まります。