どのような成分を摂れば良いのか、それがどのように働くか理解していただいたところで、次はそれらをどれだけ摂取すればよいかについて学んでいきましょう。
摂取エネルギーの適量
摂取する成分を考えてバランスの良い献立を考える事も大事ですが、食べる量も考慮しなければなりません。どんなに栄養について考えていても、食べ過ぎてしまっては生活習慣病になってしまう可能性もあります。もちろん逆に量を制限し過ぎて痩せすぎてしまう場合もあります。
まずは自分の感覚を知るために、腹八分の量を見定めましょう。
消費エネルギー
1日につき人が消費するエネルギーは次の3つの合計値になります。この数値は人によって変わってきて毎日の摂取エネルギーを維持することが基本原則ですが、生活習慣病や栄養失調など、様々な問題を抱えている場合は変わってきます。
- 基礎代謝エネルギー:体温の維持や血液循環、呼吸、消化吸収など、安静状態での生きて行くための、必要最小なエネルギー。
- 活動の為のエネルギー:仕事や家事、勉強、スポーツなどに必要なエネルギー。
- 特異動的作用によるエネルギー:特異動的作用とは食後にエネルギー代謝が高進(高い度合いに進むこと)すること。摂取成分の比率によって変わりますが、基本的に摂取エネルギーの約10%が体温として扱われます。
目安を計算によって算出
摂取エネルギーは標準体重や基礎代謝量、身体活動の強さなど個人差によって変わってきます。その為に様々な計算が加わってきます。
標準体重
まずは標準体重(目標体重)について知る必要があり、計算の仕方は下記のようになります。
身長(m)×身長(m)×22(体格指数)=標準体重(kg)
筋肉量や体質によっても変わってきますが、基本的にはここで算出された体重が標準の体重になり、それより多かったり低い場合は食事をより考えなければなりません。
体格指数(BMI)は国によって変わってきますが、日本人の場合は22が標準で25以上が肥満とされています。なので上の式を応用して、身長の2乗を現在の体重から割れば体格指数が割り出され、現在の自分の体がどのような状態か分かります。
1日の摂取エネルギー量
まず1日の摂取エネルギー量の計算式について説明します。
標準体重(kg)×基礎代謝基準値×身体活動レベル=1日の摂取エネルギー量(kcal)
標準体重については上記の式になりますが、他の2つの要素は下記を参照に計算してみてください。
- 低い(1.50):生活の大部分を座っていて静的な活動が中心
- 普通(1.75):座位中心の仕事だが、職場での移動や立位の通勤、家事、軽スポーツなどを含む
- 高い(2.00):移動や立位の多い仕事への従事者。スポーツなど運動習慣がある
1日の摂取エネルギー量は基本的に2000~3000kcalの数値になる事が多いので、それも考慮して計算違いが無いようにしましょう。