Lesson14-5 食事のマナー 洋食 その1

洋食の基本

洋食は和食のようにいくつものおかずが一緒に出てくる定食や膳とはちがい、一品ずつ出て来ます。さらにおしぼりとは違いナプキンがあったり、食器も箸ではなくナイフとフォークが必要となります。

和食と全く違う作法が必要となってきますが、基本的には正しい姿勢で食事をし、相手に不快感を与えたりみっともない食べ方を行わなければ問題ありません。

その事を頭に刻みながら、ひとつひとつ学んでいきましょう。

ナプキン

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まずは食べる前に準備が必要となって来る、ナプキンについて説明していきます。

ナプキンの主な役割は服を汚さないためのカバーです。洋食では色の濃いソースを扱う事も多々あるので、服を汚さないためにも必要になってきます。

基本的には折りたたんであるナプキンを1度広げ、2つに折ってふとももからひざの上にかけます。この時、折り目になった方を手前に置くのがマナーです。日本ではあまり見かけませんが、ソースはねが気になる場合は襟に挟んで胸元に下げる方法もあります。

ナプキンを吊るすナプキンホルダーがお店で用意されてたり自分で持参している場合は使用しても構いません。

ナプキンは服を守るだけでなく、口元の汚れを拭く役目も持っています。ですがこの時、2つに折った内側を使用しないと服を汚す可能性がありますし、ゴシゴシ力を入れて拭くと品がないので注意しましょう。

なお、ナプキンで拭いてよいのは口元と指先であって、落ちたりして汚れたフォークなどを拭いてはなりません。もし食器が汚れた場合はお店の人に頼んで交換してもらいましょう。

それとナプキンには意思表示の役割も持っています。

もしお手洗いや電話などで食事中に席を立つ際、「まだ食事を続ける」という意思表示として軽く畳んだナプキンを椅子の上に置いて席を立ちます。用事を済ませて戻ってきたらナプキンを今までと同じように扱って食事を続けます。

それと「ごちそうさま」の意思表示として、軽く畳んだナプキンをテーブルの上に置いて帰ります。しわくちゃに丸めて置くのは品がないのでもってのほかですが、もう1つ、日本人が勘違いしているであろうマナー違反もあります。それはきちんと畳んで置いて帰る事です。

折り紙などで小さい頃からきちんと折りたたむことを身に付けてきた日本人にとって、使った物をきれいに帰すことが礼儀だと勝手に思ってこのような事例を起こすこともあります。ですが洋食のマナーに則るとこの場合、「料理に不満がありました」という意思表示になってしまうのです。

国が変われば文化が変わり、それは食事も同じことです。自分達の文化に誇りを持つことも良いですが、郷に入っては郷に従う、という心構えでその食事に合ったマナーを行いましょう。