おかずの種類は前のページの3種類が基本ですが、室町時代以降、料理に様々な工夫が施されるようになり食卓を華やかにしました。それと同時に、新しいマナーも増えて来ました。
揚げ物
和食の揚げ物には衣(ころも)をつけた「衣揚げ」と、衣をつけない「素揚げ」の2種類があります。ですがどちらも基本的に食べ方は同じです。
箸で一口大の大きさに切り分けてそのまま食べたり、薬味を使ってすだちをかけたり大根おろしを天つゆに入れたりして食べます。また、つゆがある場合は天つゆの器を持つか、小皿で垂れてくるのを防ぐ必要があります。
ですがもっとも注意するべき点があります。それはエビやイカなどの天ぷらです。これらは少し大きめに揚げられ、その上箸で切りにくいです。切る事も、一口で食べることも出来ない物は端から少しずつ食べる必要があります。
ですが途中までかじった天ぷらを皿に戻してはいけません。なので小皿や受け皿を持ちながら2,3回に分けて食べきるようにしましょう。
蒸し物
蒸し物でもそれぞれ種類がありますが、和食の蒸し物で代表的なのが茶碗蒸しです。熱くて火傷してしまう可能性があるので、器に軽く触れて温度を確かめましょう。
もし熱ければ比較的温度の下がっている淵に手をかけ、手前から少しずつスプーンですくって食べるようにしましょう。
それと、熱いとつい熱を冷まそうとしてグチャグチャに混ぜてしまう方もいらっしゃいますが、これは見た目が悪くなってしまうのでやってはいけません。熱いのを冷ますにはスプーンですくった分だけ息をかけて冷ますようにしてください。
酢の物
酢の物は汁が入っているのでこぼさないように注意しなければなりませんが、小鉢に入っていることが主流なので器を持って食べるようにしましょう。
食後の姿勢
日本人の習慣として、食べる前に「いただきます」、食べた後に「ごちそうさま」を言って感謝の念を露わにします。ですが言葉だけでなく、行動でも感謝の念を見せる必要があります。その最も効果的な例は料理を食べきる事です。
魚などの食べかすや、お茶碗にご飯粒が残っていないきれいな食べ方をするだけでも、料理を作った人には感謝の念が伝わります。ですが子供の場合は食べる量が少ないので、最初から食べる量を少なめに作ってもらえないか聞いておくと安心です。
もしアレルギーや好き嫌いなどで食べきれなかった場合、お皿や器のすみにまとめておきましょう。食べ残しではなく、レモンやスダチのしぼった後などの残りカスも同じように扱ってください。