食べる順番
和食の食べ方の基本として、まずは汁物を先に食べます。
この理由は2つあり、まず1つは箸を濡らすことでご飯を余計にくっつかせることを防ぐためです。乾いた状態でご飯を食べると箸にご飯粒が付いて見た目はみっともなく、しかも箸についたご飯粒を口でもぎ取って食べる嫌い箸の1つ「もぎ箸」につながる可能性があります。
そして2つ目の理由は温かい汁物がゆっくりと体を流していくことで「食事の合図」を送るのです。消化の手間がほとんどかからない汁物で合図を送って体を消化できる状態へと持って行き、ご飯やおかずなどの固形の食べ物を消化しやすくさせます。
あとは汁物、ご飯、おかずを多からず少なからず、変わりばんこに食べていければかまいません。どれもほぼ同じタイミングで食べきれれば上出来です。
ダイエット法の1つで最初にビタミン類、野菜類を先に食べ終え、その後にたんぱく質や炭水化物、おかずやご飯を食べる方法があります。これは最初に消化に手間取る野菜を先に取る事で満腹感を与え、総合的にたんぱく質や炭水化物の摂取量を減らすやり方です。
近年ではこの食事法を取り入れている方もいらっしゃいますが、和食の基本はどのお皿の料理も少しずつかわるがわる食べていくことです。好きなおかずだけを食べたり、1つの料理を集中的に食べる一点食いはマナー違反になっています。
持っていい器・いけない器
和食は洋食と違い、器を持つ作法があります。ですがそれは全てではなく、持っていい器と持ってはいけない器があります。
ですがそう難しいことではなく、持ってはいけない器は基本的に持ちにくかったり、持つと腕に負担のかかる大皿などが当てはまります。
なので持っていい器は多く、お椀や小鉢、小皿など直径約15cm以内の器などが含まれます。他にも酢の物や肉じゃがなど汁気のある料理はこぼしてしまう可能性があるので、むしろ持って食べる事をお勧めします。
他にもそうめんなどのつゆの器、しょう油の小皿もこぼれてしまうので持つようにしましょう。カツ丼などの丼ぶりものも持っても構いません。
注意点
汁をこぼさない様に器を持つ作法がありますが、ついやってしまう食べ方の1つに手皿を使って食べる方がいますが、これはマナー違反な行為なのです。
一見食べ物の汁を服にこぼさない為に必要な作法に見えますが、もし手にこぼれてしまった場合処理に困るはずです。
こぼれた汁を舐めとったり、食事中におしぼりを使用してふき取るのは大変見苦しいので、ちゃんと受け皿を持って食べるか、汁物の蓋を利用して受け皿にするなどの対処が必要になります。