炭水化物
炭水化物は簡単に言うと、米や麦などの穀物類に含まれる主成分で、エネルギーとして利用される重要な栄養素です。
化学的な観点から見ると炭水化物は、炭素・水素・酸素で構成されている有機化合物です。さらに化学構造を見てみるとブドウ糖やショ糖などの糖類、オリゴ糖などの少糖類、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類などの種類に振り分けられます。
活動するエネルギーの割合を見ると、総エネルギーの50~65%が炭水化物によるものなので、炭水化物の摂取が減ると比例して総エネルギーの量も減ってきます。
主にエネルギー源として扱われる糖質(易消化性炭水化物)は基本的に、人類を含む動物の体内にはほんのわずかしか存在しません。その為、植物が光合成で作り上げたデンプンなどの糖質をエネルギー源として摂取しています。
前章でも学びましたが、炭水化物の中にはエネルギーにならず、消化酵素では消化されない食物繊維が存在しますが、これは腸内で消化促進を図ってくれたり生理作用に一役買ってくれるので重要な成分です。
生理作用
食事によって取り入れた炭水化物は糖質として消化・吸収されます。その後、最終的にはブドウ糖となって分解され、血液を通って各細胞へと運ばれていきます。
同じようにエネルギー源となる脂質よりも分解・吸収が早いので、素早くエネルギーとして扱うことができます。
他にも糖たんぱく質、糖脂質、核酸などの成分として様々な方面で活躍しています。
過剰摂取した場合
主食として毎日の食事に出て来て、比較的多く食べる炭水化物ですが、過食してしまうと肥満に繋がってしまうのです。
体内に溜まったブドウ糖は脂肪と合成されて蓄えられてしまいます。必要量の脂肪なら大丈夫なのですが、過剰摂取によってその量が膨大なモノとなった時、肥満を招きます。
他にも果物や砂糖に多く含まれる果糖は大量に摂取すると肝臓に蓄積され、高中性脂肪血症や高尿酸血症などの症状を引き起こす可能性が出て来ます。また、ショ糖は虫歯の原因になったりと、多くの場所で症状が出て来ます。
不足した場合
上記で過剰摂取した際の事例を挙げましたが、では摂る量を少なくすれば良いのかと問われると、そう単純な話でもないのです。
もし炭水化物の摂取を止めてしまうと、そのエネルギーの不足分を補うために体たんぱく質や体脂肪を分解してエネルギー源にします。簡単に言うと、足りないエネルギーを自分の体を削って生産しようとする働きが起こるのです。
この状態が続くと筋肉が減少したり、体脂肪の低下によってケトン血症などの症状が現れます。