前のページで説明したように、3大栄養素に2つの要素を付け足した5大栄養素が存在します。その要素こそ、ビタミンとミネラルです。どちらも微量な物ですが、人体にとっては重要な栄養素なのです。
このページではビタミンとミネラルについて簡単に説明していきます。
ビタミンの発見
ビタミンは炭素や水素、酸素、窒素など、有機化合物を含んだ物が多くどれも複雑な化学構造をしています。この複雑なビタミンが発見されたのも歴史は浅く、20世紀に入ってから知れ渡るようになりました。
この発見により、ヨーロッパで古くから知られていた壊血病(ビタミンC不足)や、平安時代から日本にはびこっていた脚気の症状を解消していったのです。
中でも特に有名なのが「ビタミンの父」とも呼ばれる高木兼寛(たかぎかねひろ)の存在です。
当時、長い航海の最中に船員が脚気を起こして死亡する事態が相次いでいました。誰もが頭を悩ませる中、彼は脚気の原因が白米中心の食生活が原因であると突き止めました。そして食事を洋食の物へと変え、野菜を多く摂るようにしたことで脚気の患者を急激に減らすことに成功しました。
この時はたんぱく質のおかげだと考えていましたが、これこそビタミンが活躍した最も有名な話なのです。
その後、実験の手法も進化していき、米ぬかから抗脚気成分の発見・抽出に成功しました。これによって命名されたのがvitamin(ビタミン)です。この発見は多くの波紋を呼び、ビタミンA、B、C…と多くのビタミン成分を発見するきっかけになりました。
ちなみに、日本の海軍で有名な海軍カレーですが、これを考案したのが高木兼寛さんです。
現在では毎週金曜日はカレーの日として、同じ景色が続く航海中に混乱する曜日感覚を麻痺させないために出されていますが、元は上記のように洋食を取り入れようとして当時同盟を結んでいたイギリス軍の食事を参考に高木さんが考案しました。
その後カレーライスは日本人の口に合うように改善されていき、肉と野菜の両方をバランスよく食べられると好評を経て、普及していきました。カレーは多くのビタミン豊富な食材を使うので、ビタミン補給にも効果的と考えられています。
ミネラル
ミネラルは基本的に無機物の物でFe(鉄)やCa(カルシウム)など、元素記号で記されます。
これらは歯や骨の材料、血液のヘモグロビン合成に助力するなど多くの用途に用いられ、乳製品や海藻、小魚、野菜などに含まれています。
ビタミンとミネラルは微量ながらも体に必要不可欠で、ドコかに不足する部分があればそこから綻びて体調が崩れて行きます。このような連鎖関係がネックレスと似ていると言われ、アメリカの生化学者によって「生命の鎖」と称されるようになりました。
Lesson3確認問題
Lesson3の練習問題に取り組んでみましょう!
知識を確認することで、より定着度が高まります。