一言で『人間』と称しても味の好き嫌いなどの嗜好が人それぞれであるのと同様、体格や性別、年齢などで栄養分が体に与える影響は変わってきます。
このLessonではその違いについて学んでいきましょう。
なお、このページで学ぶ乳幼児の時期の食事は身体や嗜好、食習慣の基礎を作り上げる重要な食事です。成長の時期に合わせてミルクから半固形食、固形食へと変えていく必要もあるので、新生児がいらっしゃる方は是非参考にしてみてください。
乳児期
生後5~6ヶ月の乳児期に当たる赤ん坊にとって、母乳は唯一の栄養源とも言えます。
母乳には乳児が成長に必要となって来る栄養成分が含まれているだけでなく、未発達な子供の体でも消化・吸収されやすい状態になっているのです。特に分娩後4~5日の初乳には感染防御因子であるラクトフェリンや免疫グロブリンなどが多く含まれています。
現代では母乳の出が悪くて困っている母親の為に人工乳、粉末ミルクなどの研究も進められています。最近では質も量も母乳と非常に近くなってきています。
といっても、文字通り血肉を分け与えた子供の体に合うのは母親の母乳なので、可能な限り母乳での授乳をお勧めします。
なお、成長が早い子ですと生後2ヶ月を過ぎると母乳だけでなく、果汁やスープ、おかゆなどを与えることもできます。もちろんこちらはあくまで個人差になりますので、子供の成長スピードに合わせて食事内容を考えるようにしましょう。
離乳期
乳児期を過ぎると、母乳だけの栄養分だけではタンパク質やミネラルが不足し始めるので離乳食を与える必要があります。
ですが急に食事を変えてしまうと子供も混乱してしまうので、離乳食を初めて1ヶ月は食事に慣れさせることが目的になります。なので離乳食は1日1回にして、他の食事は母乳やミルクを欲しがるだけ与えましょう。
1ヶ月を過ぎたら離乳食の回数を1日2回にして、この頃から舌でつぶせるくらいの硬さの離乳食にします。生後9ヶ月~約1歳半になる頃には離乳食を1日3回にし、歯茎でつぶせるくらいの硬さにして量も増やしていきます。
離乳の時期や栄養バランスの考慮は難しいでしょうが、必要以上に離乳時期を遅らせたり、食品の制限を行っていると逆に栄養が不足してしまい、『食べる』学習の機会を失いかねません。
幼児期
1歳半になると離乳食のみの食事になって、母乳から栄養を摂る事はなくなり完全に離乳します。なので栄養の大部分を食事から摂取するようになります。
ですが消化機能や噛む力がまだまだ未熟な状態なので、3回だけの食事で1日の栄養分を変換仕上げるのは胃腸に負担がかかってしまいます。
なので活動量や食欲に応じて間食を1~2回加えた食事回数にしましょう。と言っても、与えすぎてしまうと逆に消化しきれず胃腸へ負担をかけたり、嘔吐、栄養過多による肥満化などへと繋がるので、1日の総量を大まかにでも決めておくと良いです。
この時期は好き嫌いや食欲のムラが激しく、食べることを拒否したりします。なので強制的に食べさせることはせず、散歩や運動をさせて空腹感を体験させて食べる意欲を持たせるなどの工夫が必要です。