バランスの良い食事法の考え方で「五色(七色)」「五味」「五法」など、5つの要素を用いた考え方が存在します。今回はそれぞれについて学んでいきましょう。
五色(七色)
日本は四季の特徴が表れやすい国で、和食も献立を立てる際に「季節感」を大切にしています。それは旬の食材を季節に合った調理法で料理に仕上げることが大まかな内容になりますが、味と同様に見た目もこだわりを見せます。
そこでまず重要となって来るのが五色(七色)です。基本的には赤、緑、黄色、白、黒の五色に茶色と紫を加えた七色を総称して呼んでいます。これらの色をまんべんなく使用することで彩りが生まれ、食事を華やかにしてくれます。
これらは基本的に食する時の色になるので、元は赤色でも火を通した肉などは茶色として考えます。
これを読んで中には「見た目は味に関係ないから、気を付けなくてもよいのではないか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。ですが口にして『美味しい』と感じる前に、見た目の力で意欲を上げなければなりません。
さらに料理を見ず、眼を閉じた状態で物を口にした時、それを美味しいと感じることはとても難しいことなのです。なぜならまず視覚で料理を認識し、その事前情報から料理の良しあしを味覚が決定するのです。
つまり味を感じるのは味覚でも、料理を美味しいと感じるのは視覚の情報が大きく関わっていて約8割以上も占めているのです。
五味
五味とは読んで字のごとく、5つの味のことです。それは下記の5種類になります。
- 酸味:酸っぱい味
- 苦味:苦い、苦味のある味
- 甘味:甘い味
- 辛味:辛い味
- 鹹味(かんみ):塩辛い味
これらはそれぞれが臓器の働きを助け、活性化させてくれます。なお、五味をうまく組み合わせて美味しく食べる事を「五味調和」と言います。
酸味
肝臓、大脳、胆、目によく、血液の浄化、解毒作用、体を引き締めてくれる作用を持っています。寝汗や下痢、頻尿の改善に効きます。
苦味
熱を下げて余分な水分を代謝してくれる作用を持っており、咳や頭痛、めまいに効きます。
甘味
胃、脾臓を助け、滋養強壮の作用があります。緊張や痛みを和らげる効果もあります。
辛味
肺、大腸に良く、発汗や血行促進に助力してくれます。その効果によって体を温めて風邪の予防をしてくれます。
鹹味
腎臓、膀胱、耳、骨に効き、体を潤して便秘の解消やしこりを和らげてくれます。
五法
色や味を考えつつ、それらを活かす方法が料理になり、その方法を記したものが五法になります。
- 生もの
- 蒸す
- 煮る
- 焼く
- 揚げる
上記の調理法が基本となり、その時その時の食事によって調理法を変えて行きます。ですが注意していただきたい事が数点あります。
まずは生のまま食する時の注意点です。余計な調理をしていないので酵素がそのまま含まれており、十分な量の栄養分が取れますが新鮮な物に限るという条件が加わります。もし収穫して日が立っていたりする場合は火を通して安全な状態で食べるようにしてください。肉類などは特に気を付けましょう。
次は他の調理法についてです。これらはどれも火を通す作業になり料理に様々なバリエーションを与えてくれます。さらに熱して料理を温かくすることで消化を助けてくれます。ですが食品の中には熱することで味や栄養素が飛んでしまう物も存在するので、それぞれの食材を調べ上げて研究、実践することで独自に学んでいきましょう。