ミネラル
ミネラルはビタミンと同様、微量ながらも体の健康維持に欠かせない栄養素です。
ミネラルは元素表現で当てはめられていますが、100以上ある元素のうち5%がミネラルとして分類され、その中でも必要不可欠な16種類を必須ミネラルと呼んでいます。
また、人体を構成している酸素、炭素、水素、窒素の4元素はミネラルと別物として考えられています。
ミネラルの主な働きとしては次のようになります。
- 骨や歯などの体の構成成分になる
- 体液に溶けて浸透圧(pH)を調節する
- 酵素の構成成分になる
- 神経、筋肉の興奮性を調節する
このような働きが見られ、細かい物も含めるとたくさんの働きが数えられます。
過剰摂取
ミネラルはどれも微量な量で役割を果たしますが、過剰に摂取した場合何かしらの悪性に転ぶ可能性があります。中でも1日の必要量が100mg未満の鉄や亜鉛を摂りすぎてしまうと中毒症状を起こしてしまいます。
他にもナトリウムの摂り過ぎによって高血圧へとつながる事例もあり、生活習慣病とも深いかかわりがあると言われています。
不足
ミネラルは体内合成によって得ることが出来ないので、食事から摂取する必要があります。もし不足してしまうと鉄欠乏性貧血、ヨウ素不足による甲状腺腫などの欠乏症が現れます。
また骨の構成成分として有名なカルシウムが不足すると、骨粗しょう症になる恐れもあります。
必須ミネラル
上記で説明したように、体に必要な16種のミネラルを必須ミネラルと呼び、「日本人の食事摂取基準」では13種類が示されています。必須ミネラルとして挙げられるものを簡単に説明していきましょう。
多量元素
- カルシウム(Ca):歯や骨の形成、神経の興奮を抑える
- リン(P):歯や骨の形成、リン脂質や核酸の成分、糖質のサポート
- カリウム(K):細胞内液の浸透圧の維持、心臓や筋肉の機能調節
- イオウ(S):皮膚や髪の毛、爪を形成、酵素の活性化
- ナトリウム(Na):細胞外液の浸透圧の維持、筋肉や神経の興奮を抑える
- 塩素(Cl):胃液の成分、殺菌
- マグネシウム(Mg):酵素の活性化、神経の興奮を抑制
「体に含まれる多量のミネラル」といってもカルシウムの約1000g(体重70kgの場合)が最も多く、ほとんどが100g前後の量です。
また、「必須だからたくさん摂取する」という考えも少々危険です。
マグネシウムを例にあげると、多く摂取することで腸管を刺激して下痢を起こしてしまいます。(マグネシウムの必要摂取量は約300mg/日)とは言え、サプリメントなどで過剰摂取しない限り、この様な事はあまり起こりません。
微量元素
- 鉄(Fe):赤血球のヘモグロビンの成分
- 亜鉛(Zn):たんぱく質の合成に関与
- 銅(Cu):赤血球のヘモグロビンの合成に関与
- ヨウ素(I):発育の促進、基礎代謝の促進
- セレン(Se):抗酸化作用、がん予防
- マンガン(Mn):糖質や脂質の代謝に関与、骨形成に関与
- モリブデン(Mo):尿酸を作り出す代謝に関与
- クロム(Cr):糖質や脂質の代謝に関与
- コバルト(Co):ビタミンB₁₂の成分、造血作用に不可欠
鉄や亜鉛を多く摂取すると中毒症状を起こしますが、どれも食材には微量な量しか入っておらず通常の食事をしている限り見られる事はありません。あるとすれば先天的に異常を持っているか、風邪などで体調を崩した時などになります。
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