ビオチン
ビオチンは3大栄養素のエネルギー変換時にそれぞれの代謝をサポートしてくれる成分です。
特に髪や皮膚の健康と深く関わっており、皮膚炎の予防にも貢献してくれます。皮膚炎を起こすヒスタミンの産生を抑制し、アトピー性皮膚炎や白髪などの改善に有効だと考えられていますが、詳しい事はまだ判明していません。
不足
ビオチンは微量ながらも多くの食材に含まれている上、腸内細菌によって合成もされるので欠乏症は起こりにくいと考えられています。ですが抗生物質を長期服用して腸内細菌のバランスが崩れている方はビオチンの合成量が減るので、普段からちゃんと食事を取る必要があります。
他に欠乏症が見られるのは偏食者や長期間経管栄養を受けていた方、それと卵白のアビジンというたんぱく質がビオチンの吸収を阻害することから卵白を大量に食べている方が挙げられます。
パントテン酸
パントテン酸はコエンザイムAという補酵素の構成成分に当たり、多くの代謝過程において中心的なサポートをしてくれます。
コエンザイムAはエネルギーが作り出される時、140種類以上もの酵素の重要な補酵素となります。なのでコエンザイムAの原料となるパントテン酸は体内の全ての組織にとって、必須のビタミンであるとも言えます。
他にもHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やしたり、抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成、風邪などに対する免疫抗体の合成、薬物の解毒作用など多くの効果を持っています。
不足
パントテン酸は動物性と植物性のどちらの食品にも含まれている上、腸内細菌の合成によっても作成されるので普通の食生活を送っている限り、欠乏することはほとんどありません。
極度の栄養失調になった場合に引き起こされますが、ヒトでの実験的な欠乏状態でしか報告されていません。もし起こった場合の症状は頭痛や疲労、手足の知覚異常などです。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や軟骨などの結合組織を構成するコラーゲンというたんぱく質の合成に必要不可欠なビタミンです。つまり皮膚や骨の健康を維持したり、傷の修復を早めたりして美肌効果がある重要な成分なのです。
また、体内で多くの化学反応に関与して上記で少し説明した副腎皮質ホルモンの合成や腸管での鉄分の吸収率を高めたりしてくれます。強い抗酸化力によって過酸化脂質の生成を抑制したり、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞の予防にも働きます。
果物だけでなく野菜にも含まれているビタミンCですが、水溶性ビタミンで水に溶けやすいので3分以上茹でるとビタミンCの量が半減します。しかも時間が経過するごとに減って行くので、なるべく新鮮な状態で食べる事をお勧めします。
不足
ビタミンCが欠乏すると疲労感が生まれ、毛細血管がもろくなります。すると歯ぐきや皮下から出血する壊血病や、子供の場合は骨の発育不良が見られます。
寒さによるストレスや喫煙によって体内のビタミンC消費量は増えます。なので冬場や喫煙者の方は多くビタミンCを摂るようにしましょう。
ビタミン様物質
これはビタミンと同様、体に重要な働きを見せてくれますが、わざわざ摂取しなくても体内合成量で充分まかなえて欠乏症が起こらないという理由からそこまで重要視されず、ビタミンの仲間に入らなかった成分の総称です。
もし栄養学をさらに深く学びたいと興味が湧いた方は、ぜひ学んでみてください。
Lesson7確認問題
Lesson7の練習問題に取り組んでみましょう!
知識を確認することで、より定着度が高まります。