ナイアシン
ビタミンB群の一種で、ニコチン酸とニコチンアミドの総称で知られています。そしてこのビタミンは動物性食品と植物性食品の両方に広く分布しています。特にタラコやカツオに多く含まれています。
また食事などで摂取する以外にも、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンからも体内合成で得られます。
ナイアシンは糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー変換を行う際に補酵素として活躍します。
他にもアセトアルデヒドという成分を分解する時の補酵素にもなりますが、この成分はアルコールや二日酔いの原因となる物です。なのでお酒を飲む人ほどナイアシンの必要摂取量が増えて来ます。
過剰摂取
ナイアシンの場合、多く摂り過ぎると過剰症状というよりも副作用と言った方が当てはまります。
大量に摂って引き起こされる副作用は様々で、血管が拡張されることによって皮膚が赤くなったり、嘔吐や下痢などの消化管の病気、肝機能障害などが挙げられます。
不足
欠乏症としてよく見られる典型的な例はペラグラという症状です。皮膚炎や下痢などの症状が主で、悪化すると憂うつや頭痛などの神経障害も起こり得ます。
かつてペラグラはアメリカやヨーロッパなどのトウモロコシを常食していた国でよく見られていました。トウモロコシにトリプトファンが少なかったことで引き起こされていたことが原因です。
日本でもアルコール中毒患者の方に見られます。
ビタミンB₆
ビタミンB₆は多くの補酵素の成分として扱われるだけでなく、分解されたアミノ酸がたんぱく質へと再合成されるのを手助けしてくれます。この働きによって皮膚や髪の毛、歯などの健康維持に役立ってくれて、たんぱく質を多く摂る人ほどビタミンB₆の必要量が増えて来ます。
また脂質の代謝にも手助けして、肝臓に脂肪が蓄積しないようにしてくれます。お酒をよく飲む人は脂肪肝になるのを防ぐためにビタミンB₆を多く摂るようにしましょう。
主にカツオやマグロなどの赤身魚に含まれているので、おつまみの刺身として食べると良いでしょう。
この他にもセロトニンやドーパミン、αーアミノ酪酸など、重要な神経伝達物質の合成にも必要です。
過剰摂取
通常通りの食事を行っている限り、副作用は起こらないでしょう。
ですがビタミン剤などで多量摂取(1日につき300~5000mg)した場合、末梢感覚性神経炎や知覚神経障害、シュウ酸腎臓結石などが起こる危険性もあります。
不足
ビタミンB₆の欠乏が起こると目、鼻、口、耳の周囲に湿疹が起こったり、貧血、神経系の異常を起こします。ですがビタミンB₆の欠乏症は単体で起こる事は少なく、他のビタミン不足による症状と一緒に発症します。
中でも女性の方、特に妊婦や経口避妊薬の常用者の方はホルモンの関係で欠乏しやすい体になっているので、よく摂るようにしておきましょう。