Lesson16-6 年齢に合わせた食事 高齢期

成人後、どんどん体が衰えて行き、老化が進むことで体機能も衰えて来ます。それに合わせて食事のとり方も変えて行かなければなりません。

なので、このページでは65歳以降の方を目安に行う食事法について学んでいきましょう。

基礎代謝の低下

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老化が進み、特に高齢期に入ると骨格筋をはじめ様々な組織の細胞数が減ってきます。これにより基礎代謝量が減り、同時に活動量も減ってしまうので体内でのエネルギー消費量が激減してしまいます。

他にも歯の欠落味覚、嗅覚、消化力など食事の意欲を掻き立てる機能も低下していくので、食欲不振を招きかねません。

老化の個人差

体機能はもともと個人差などが生じやすい要素ではありますが、この年代に入るとその差は如実に表れて来ます。その上、健康状態や活動量の差も加わってその差は大きく広がります。

高齢期の方でも活動的な方の場合はほとんど筋肉の衰えが少なく、基礎代謝、食欲、共に順調な働きを見せてくれます。逆に活動量が減ってもエネルギー摂取量を変えずにいる方は充分に消化することができず、肥満各種疾患を招きかねません。

食事内容の変化

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高齢期に入っても健康であろうとして運動を始める方もいますが、中には体力の衰えを突きつけられて運動の意欲を失い、そのまま運動を止めてしまう方もいます。そうなると運動機能だけでなく消化機能を行う筋肉も衰え、食欲も低下して食事への関心も減ってしまいます。

こうならない為にも早い時期からの運動はもちろん、献立への配慮も必要になってきます。

食欲不振の方にはまず、食事の時間を決める間食を控える彩りや季節感を活かす香辛料を使うなどの工夫を凝らして食べてもらう事が重要です。食習慣を見直したり、視覚や嗅覚を用いて反射的にでも食欲を持たせるようにしましょう。

そうすることで体も『食べる状態』を作ろうとして胃液の分泌を促したり、腸の動きを活発化させようとして食欲を増進させます。

他にも雰囲気を変えて外食やハイキングでの食事を行い、気分転換するのも効果的です。といっても体調が悪い時には逆効果にもなる可能性があるので無理はせず、食べられる物を食べて水分補給に心掛けましょう。

また、老化に伴い噛む力が弱まったり歯が欠落してしまっている方もいます。なので食べ易い調理法を模索したり、歯の治療を行って何でも食べられるようにするなど様々な方法を用いて食事を楽しめるようにしましょう。

排泄機能の低下

消化機能と同様に機能する排泄にも大きな影響があります。老化によって腸の蠕動運動が低下して便秘になり易い事象は多くあり、消化に良い物ばかり食べていると腸があまり活動しなくなるので便秘を助長する形になります。

その為、繊維質を多く含んでいるイモ類海藻豆類おからキノコ類野菜を積極的に食べるようにし、こまめに水分補給するようにしましょう。

これらの注意点を含め、高齢期に行う食生活について簡潔にまとめた物が下記の箇条書きになります。

  • 肉、魚、大豆製品など良質なたんぱく質を摂る
  • 隠し包丁やとろみをつけるなど、食べ易い工夫をつける
  • 不足しやすいビタミンやミネラルなどを含んだおかずから食べる
  • ゆっくり、よく噛んで食べる
  • 彩りや香りなどで食欲をわかせる
  • 空腹感で食欲を持たせる

 

Lesson16確認問題

Lesson16の練習問題に取り組んでみましょう!
知識を確認することで、より定着度が高まります。