ビタミンE
ビタミンEの働きを簡単に言うと、細胞の老化を防ぐことです。
細胞膜を構成しているリン脂質は不飽和脂肪酸を多く含んでおり、これが酸化していくと過酸化脂質へと変化して細胞を傷つけ、老化を速めてしまいます。これを防ぐために、ビタミンEは細胞膜に広く存在します。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持っているので有害な過酸化脂質の生成を防いでくれます。これによって細胞の老化を防いでくれるのです。
この効果は細胞膜の中だけでなく、血液中のLDLコレステロールの酸化も防いでくれるので、動脈硬化の予防にも貢献してくれます。これによって血流の流れが良くなる上に、ビタミンEには末梢血管を広げてくれる働きも持っているので全身に効率よく血が巡り、肩こりや冷え性の改善も行ってくれます。
なお、ビタミンEを多く含む食材は植物油や魚卵などに多く見られます。
過剰摂取
ビタミンEも脂溶性ビタミンの1種で肝臓へ貯蔵されるはずなのですが、健康な人では比較的過剰症は起こりにくいです。ですが過剰摂取した時に軽度の肝障害を起こすといった報告も存在しますので、長期間摂取し過ぎないようにしましょう。
不足
ビタミンEが不足した場合、細胞膜の酸化を防ぐ成分がないので老化が早まります。すると乳幼児や未熟児の場合、赤血球膜の抵抗性が弱まり、溶血性貧血を起こす可能性が現れます。
他にもビタミンE欠乏によって動物の場合は不妊症や筋肉の萎縮、ヒトの場合はごくまれに感覚障害や神経症状が起こります。
ビタミンK
ビタミンKはケガや内出血がが起こった時に止血をする働きを持っているので、『止血ビタミン』とも呼ばれています。
出血が起こった場合、血漿(けっしょう)内部で溶解しているフィブリノーゲンが不溶性のフィブリンへと変化し、血液がゼラチン状になる事で血液を固めます。
この時の変化に必要なトロンビンという酵素は、前駆体であるプロトロンビンの生成に必要なビタミンKがある事で得られます。
他にもビタミンKにはビタミンDと同様に骨作りに貢献します。ですがビタミンKの場合、カルシウムが骨へと沈着する際に必要となって来るオステオカルシンというたんぱく質を活性化させる働きによって骨を作ります。結果は同じでもビタミンDとは効果が違いますので注意しましょう。
こちらを多く含む食材はブロッコリーや小松菜、ほうれん草などがあげられます。
過剰摂取
こちらも脂溶性ビタミンではあるものの過剰症の報告はありません。ですが血液が固まり易い人、抗血液凝固剤を使用している人や血栓症の方は摂取量を制限されることがあります。
不足
ビタミンKは腸内細菌によって体内合成が行われる為、不足する事態はまれです。しかし胆汁の分泌が悪い人、抗生物質の長期服用によって腸内細菌が減っている人などは欠乏症を引き起こす可能性があります。
また、新生児の場合は腸内細菌が少ないので欠乏しやすく、頭蓋内出血や消化管出血を起こすケースもあります。