たんぱく質
たんぱく質は筋肉や臓器など、体を構成するとても重要な成分です。
化学的に見るとたんぱく質は炭素(50%~55%)、水素(6.9%~7.3%)、酸素(19%~24%)、窒素(15%~19%)、イオウ(0.4%~2.4%)の元素から構成されています。
構造上の特徴としてはアミノ酸が多数結合しており、種類によって上記で表した基本的な元素に加え、リンや銅、鉄などを含み、様々な種類が見られます。さらにアミノ酸自体は20個も種類があり、種類や量、構造順番などの組み合わせによって10万種類ものたんぱく質を構成するのです。
これを大きく2つに分けるとアミノ酸だけで構成されている単純タンパク質と、アミノ酸以外の物も一緒に結合した複合タンパク質に分類できます。中には元々たんぱく質だったものの、性質が変化したり1部分だけ加水分解していたりと通常の物とは違う誘導たんぱく質という物もあります。
10万種類もあるので細かく分類すると酵素たんぱく質や貯蔵たんぱく質、調節たんぱく質、構造たんぱく質、輸送たんぱく質などまだまだ多くの分類が存在します。
なお、たんぱく質の英語名『protein(プロテイン)』はギリシャ語の『proteios』が由来しており、『最も重要な物、第1の物』という意味です。
生理作用
上記で説明したようにたんぱく質は体を構成する重要な成分ですが、他にも酵素、ホルモン、免疫酵素の原料にもなり、『コレステロール』のページで説明した「リポタンパク質」として栄養素の運搬も行っています。
過剰摂取
たんぱく質の場合、糖質や脂質のように貯蔵することが出来ません。そのため過剰に摂取した分は尿と一緒に排出されます。
こう考えると肥満のように溜まった成分が悪化する恐れがないように感じてたくさん食べても特に問題がないように感じますが、その分尿へと変換される動きが多くなり、腎臓への負担が多くなってしまいます。
こうなると腎機能障害へ繋がったり、たんぱく質と一緒にカルシウムも過剰に腎臓へと送り込まれて尿中カルシウム量が増え、骨粗しょう症へと発展するケースも見られます。
また、上記のような筋肉・尿への変換量にも限界があり、上限を上回って余った分はたんぱく質のままでは貯蓄できないため、体脂肪へと変換されて体に残ります。そのためたんぱく質の過剰摂取が直接肥満に繋がることはありませんが、要素の1つとして負担となります。
不足
逆に不足した場合、新しく筋肉などを構成することが出来ず、不足した部分を他の筋肉から分解して補おうとしまう。しかし使い古した栄養素であるため、新しいたんぱく質に比べて体力や免疫力が低下します。
他にも血管が弱くなって脳卒中の危険も考えられ、成長期で多くのたんぱく質を必要とする子供の場合は成長障害を起こす可能性もあります。